Tibettan Monkey Skull : 輪廻を見つめる眼差し

Tibetan Monkey Skull
輪廻を見つめる眼差し

寺院で生きた一匹の猿
今は静かに私たちを見つめ返す

チベット仏教では「頭骨」は、
恐れの象徴ではなく、再生と智慧の象徴

寺院を生きた一匹の猿が、
今は静かに私たちを見つめ返します。

そこで生きた時間は、人よりも短く、
しかしその目は、
もっと長い時間を知っているようだった。

彼はただ傍らで、
祈る者たちを見ていた。
その静かな記憶が、
祈りの形となって残っている。

ZOCALOが見つめてきた「祈りの形」は、
誰かの手に生まれ、また消えていくもの。
それ
は「全てのもの」ではなく、
「いま」という一瞬に立ち会うための象徴。

チベットの猿の頭蓋骨 —
それは、生と死の間を見つめる、
もう一つの眼差し。

写真:福島憲明
著作権:ZOCALO JAPAN