身につけるということ

モチーフの持つ意味とは?


少々、まじめに考察してみました。

 

アクセサリー=装身具の歴史は長い。

もともとは、外部の敵から身を守る為に魔力があるモノを肌身離さず持ち歩いたのが始まりとされ、呪術的な意味合いが強かった。

そこから、支配者階級が生まれ、自身の身分の高さを誇示する為に身につけるようになり、やがて宗教が発展すると新しい段階に進む。

信仰に合わせて、神とのつながりを目的とした十字架や、菩薩が身にまとう耳璫(じとう)や臂釧(ひせん)など多様化していくのである。

素材も動物の歯や牙、木の実、花から金、銀まで実に様々なモノが用いられる様になる。これらの現象は世界中で見られ、日本でも古くは縄文時代からすでに耳飾りや腕輪などの装身具が見受けられる。

そして、現代。

人々はこういった元々の目的とは別に、純粋にファッションの一部としてアクセサリーを身に着ける様になる。

しかし、根底にある願い”“祈り”“護身といった意味合いが完全に無くなった訳ではなく、むしろアクセサリーを身に着ける人は、日々の生活において、より強く自分なりの解釈で意味を求める様になっている。

一方で、作り手側はどうだろう。
作り手側らもまた、他のファッションアイテムよりも強くアクセサリーにメッセージを込める。身に着ける人を想像しながら、彼らの生活、人生を想像しながら、そこに魂を込める。だからこそ、アクセサリーにおけるモチーフは重要な意味を持つ。ファッション的要素とスピリチュアルな要素、それらのバランスを高みで融合させる為に考え、悩み、創造するのだ。

写真は、チベット密教の法具ドージェ。ヒンドゥー教ではヴァジュラ、仏教では金剛杵とも呼ばれるが、煩悩を打ち砕き、困難や壁を乗り越える為の力が宿っていると言われ、非戦のチベット密教で唯一許された護身具でもある。

そして、このドージェは本誌でもお馴染みのアクセサリーブランド「ソカロ」の言わずと知れたメインモチーフでもある。ZOCALOは、ドージェが持つバックグラウンドに強く惹かれ、そこから独自の感性で創造し、ファションン的要素を組み合わせて数々の名作を生み出している。

「ダブルドージェ」「ホイールドージェ」「ダガードージェ」「カルティカドージェ」...これらは「ソカロ」で展開しているドージェモチーフの作品のほんの一部である。

いかにZOCALOが、このモチーフに対して想い入れを持ち大切にしているか分かって頂けるだろう。そして、このドージェモチーフの作品が多くの熱狂的ファンに愛され、支持されているという事実こそ、身に着ける人自身が持つ想いと、作り手の身に着ける人に対しての想いがシンクロするというアクセサリーの理想型を体現しているのではないだろうか。

by RudeAccessories

→ドージェ:Dorje / Vajra